ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
ざわめき/その22
砂垣



俺に選択の余地はないさ

麻衣が言うように、俺は自分がかわいい、一番な

「わかった。絶対言わない」

「信じるわ」

麻衣は俺の返事に念を押すことはなかった

「じゃあ、あなたへのリクエストをこれからね…」

さあ、麻衣は俺に、どんな”リクエスト”とやらの要求を突き付けてくるんだ


...



「いい?これから言うこと、よく噛み砕いてちょうだい。諸星は都県境の排赤勢力×反排赤という、ガキのフィールドを突破口にして、相和会の牙城を崩しにかかってる。当然、関東のバックともつるんで。これに対して、相和会としては、言うまでもなく敢然と対処する。妥協なくね。あなたは、排赤勢力×反排赤の最前線にでばってるわ。単に奴らを押し返すなら、相和会があなたがをターゲットに、南玉やその他の勢力の頭越しでどうにでもできるわ」

麻衣はゆっくりとした口調に変わった

クロージングのための事実認識を、まずはしっかりってところだろう

「でも、それが出来ないのを、向こうは見越してのことなのは、あなたも当然承知よね?」

「ああ…」

「なぜ?」

「それは、相和会と関東、関西両広域サイドが、新たな枠組みを取り決めた直後だから…。滅多な敵対行動をとれば、他の組に合意破棄とみなされる恐れがある。だから…」

「そうよ。でも、相和会に突破口は120%あり得ないのよ。その為の方策をきちっととるから…」

「それって、俺に今のポジション降りろって言ってるのか?」

「いいえ、逆よ。あなたには、いてもらわないと困るのよ」

「わからないな、全然だ。で、俺には何を求めてるんだ?」

「排赤勢力×反排赤の結果がどう出ようと、それがやくざもんの勢力争いではなかった。そうなるように、あなたが諸星をコントロールする。それがあなたへのリクエストよ」

麻衣のその言葉に、俺は衝撃を受けた


...



「だいぶ言ってる意味は分かってきたが、具体的にどうすれば…」

「ふふ、難しく考えなくていいのよ。なにしろ、南玉を軸としたあなたの敵とは、思いっきりやり合ってちょうだい。その際、バックを利用、それはご随意よ。星流会とその後ろの組織に利用されないようならね。あなたの得意技じゃないのよ、それ」

「だけど、線引きって言うか、その辺が難しいよ。ここまでは連中に冒されていないとかって…」

「ふふ…、あなたの感覚にとりあえず委ねる。ギリギリのところを模索して動いてちょうだい。そこのラインを超えるようなら、私が排除するわ。そのアクションを、レッドカードとみなして。まあ、そんなにきれいごとは言わないわ。権謀術策を尽くして、やりあう時は正面から命かけてやればいい」

何となく麻衣の本心が見えてきた…

「極論としては、最後の決着に、やくざを追っ払う気概でいてってこと。あなたが奴らを利用しても、奴らに利用されないってこと。それは、私と相和会に例えても、本質は同じだと思うわ」

「それだけなのか、俺へのリクエストって…」

「そうよ」

麻衣ははっきり言い切った





< 204 / 224 >

この作品をシェア

pagetop