ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
第7章ー果実たちの発熱再び…、恩讐を超えてー
勃発/その1
麻衣
「では、これ…、”エリカちゃん”にお渡しください」
私は通称”評判のよくない先輩”…、まあワタシ的には”アンコウ”こと三田村峰子さんに、”品”を二つ差し出した
ちなみに、リボンのついた小さな箱に入った中身は二つとも同じだ
アンコウ先輩はテ-ブルに置かれた”それ”と私を、そのちっこい両の目で二往復させてから口を開いたわ
「約束は一つだったんだから、お前がいっこもらっときな。それで、こっちはペイってことなんだしね」
「そんな高級品、私には分不相応です。先輩が受け取って使ってみてはどうですか?」
「フン、私がこんなの塗ったって滑稽なだけなの分かってて、嫌味な奴だね、お前は」
「はは…、なら、売っちゃえばいいですよ」
「じゃあ、そうするか」
アンコウはそう言うと、高級マニュキアの入った箱二つをさっさと上着のポケットに押し込んだわ(苦笑)
...
「とにかく、万事周到だったようだね、今回は。ヒヒヒ…」
早速出たな
背筋ゾーッのこぼれ笑いが
「先輩の人選にはいつもながら感服ですよ。”3人”とも、絵に描いたように動いてくれましたから…。ありがとうございます」
アンコウはフンフン頷きながら、上機嫌でタバコをスパスパしてる(笑)
「でもよう、その生爪、本物だったんだろう?」
「そうですよ。組のストックです」
「…女の指もストックあるのか?」
「いえいえ、今回は比較的小柄な男の小指だったモノからチョイスしてもらいました」
「ゲーッってとこだわ。見なくてよかった…」
そう言って、アンコウはふっくらの背中を丸めながら、タバコを灰皿で押し消した
...
「…それで、どうでしょうね。都県境の”ざわめき”は、先輩のアンテナにはいろいろと引っかっかっていると思うんですが」
「勃発寸前だね、もう近いよ」
「そうなりますか、やっぱり…」
「ヒヒ…、まったく嬉しそうな顔してるね、麻衣。今度は何をやらかすつもりだい?」
「一言で言えば誘導です。といっても、グイグイじゃなくて、やんわりとですね。あー、そっちじゃないでしょ、こっち戻ってねって、やさいしく声掛けです。ますは。そんで、聞き分けなけりゃ、てめー、行くぞ、コラー!…まあ、こんな感じで企んでます」
アンコウはなんちもな苦笑いだったわ
麻衣
「では、これ…、”エリカちゃん”にお渡しください」
私は通称”評判のよくない先輩”…、まあワタシ的には”アンコウ”こと三田村峰子さんに、”品”を二つ差し出した
ちなみに、リボンのついた小さな箱に入った中身は二つとも同じだ
アンコウ先輩はテ-ブルに置かれた”それ”と私を、そのちっこい両の目で二往復させてから口を開いたわ
「約束は一つだったんだから、お前がいっこもらっときな。それで、こっちはペイってことなんだしね」
「そんな高級品、私には分不相応です。先輩が受け取って使ってみてはどうですか?」
「フン、私がこんなの塗ったって滑稽なだけなの分かってて、嫌味な奴だね、お前は」
「はは…、なら、売っちゃえばいいですよ」
「じゃあ、そうするか」
アンコウはそう言うと、高級マニュキアの入った箱二つをさっさと上着のポケットに押し込んだわ(苦笑)
...
「とにかく、万事周到だったようだね、今回は。ヒヒヒ…」
早速出たな
背筋ゾーッのこぼれ笑いが
「先輩の人選にはいつもながら感服ですよ。”3人”とも、絵に描いたように動いてくれましたから…。ありがとうございます」
アンコウはフンフン頷きながら、上機嫌でタバコをスパスパしてる(笑)
「でもよう、その生爪、本物だったんだろう?」
「そうですよ。組のストックです」
「…女の指もストックあるのか?」
「いえいえ、今回は比較的小柄な男の小指だったモノからチョイスしてもらいました」
「ゲーッってとこだわ。見なくてよかった…」
そう言って、アンコウはふっくらの背中を丸めながら、タバコを灰皿で押し消した
...
「…それで、どうでしょうね。都県境の”ざわめき”は、先輩のアンテナにはいろいろと引っかっかっていると思うんですが」
「勃発寸前だね、もう近いよ」
「そうなりますか、やっぱり…」
「ヒヒ…、まったく嬉しそうな顔してるね、麻衣。今度は何をやらかすつもりだい?」
「一言で言えば誘導です。といっても、グイグイじゃなくて、やんわりとですね。あー、そっちじゃないでしょ、こっち戻ってねって、やさいしく声掛けです。ますは。そんで、聞き分けなけりゃ、てめー、行くぞ、コラー!…まあ、こんな感じで企んでます」
アンコウはなんちもな苦笑いだったわ