ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
勃発/その3
砂垣



ここしばらく、星流会へは大場を遣わしていたが、それには理由があった

あっちが盛んに知りたがってる相和会ネタを、俺にせっつくからだ

言葉のはずみで、ちらっとでもうかつなコトを漏らしてしまえば、尾ひれ背びれは世の常だ

それを警戒して、諸星さんや金城さんと会うのを避けていた訳だ

だが、麻衣とあのような取り決めをしてしまったからには、事情が全く違ってきたよ


...



今までは、アツシからの暴露ネタを”高く”売りたいという下心から、ネタの温存という面が強かった

ところが、今はしゃべったら消されるという身の危険から、絶対に他言できない立場に至った

それこそ、死ぬまで胸の内にしまっておくという、固い決意がなされたよ

だから直接会っても、つい口を滑らすなんてことは決してないわ

逆に直接会って、リアルなところを最大限掴んでくる必要性が出てきたんだ

で…、これから星流会トップの諸星さんと会う


...



「なんだー、おい!ここんとこは大場ばかりよこしてたくせに…。いいネタ持ってきたのか、順二?」

うわあ、早速詰められるわ…

「あれば、そちらから聞かれる前に持って来てますよ。ないんで、バツ悪いから、大場を行かせてたんです」

「じゃあ、今日はあるんだな?」

「いや、それが特段ないんですよ」

「砂垣、テメー、何年面倒見てやってると思ってんだ!いい加減貢献してみろって!全く…」

なんか、いつにもまして機嫌悪いな、諸星さん


...



「すんません、親分。相変わらず、役立たずで…」

「ああ…、それでお前、何の用件だよ、今日は…。そっちからのネタじゃないんならよう」

「あのう、例のバグジーって男が”納品”と、大場から聞きましたんで…。やっぱり、事前によく確認しときたいと思うんです。使い方間違えると、かえってヤバいことも起こり得ますから」

「ああ、そうだな。お前も早めに見といたほうがいい。今、連絡取らせる」

よし、何とかつじつまは合わせたぞ


...



連絡を手配つけてる間、まずはこっちからも直近の情勢を伝えた

「そうか…、テンバッテんな、これは。なら近々、勃発するか…」

「ええ、いつ火がついてもおかしくない情勢で…。ですからバグジーも早速、出番が回ってくると思いまして」

「うむ…、高いゼニ使ったんだ。有効に使ってもらわんとな」

ふふ、ちょっと機嫌よくなってきたぞ






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