ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
美しき毒、さらに…/その9
麻衣



「こちらは、星流会会長の諸星さんだ。…会長、この子が例の相馬豹子こと、本郷麻衣さんです」

「やあ…、君の噂は剣崎君からよく聞いていてね。やっと会えたってとこだな」

わおーって感じだった

いきなり星流会のトップとはね

「相馬豹子こと本郷麻衣です。初めまして!」

私は起立して、大きな声であいさつした

周りの人、見てるよ、はは…

「とにかく、座んなさい」

ふふ、この類の人らって、こういう場で目立つのは極端に嫌がるからね


...


砂ちゃんが飲み物を頼むと、私にはコーラが運ばれた

「ひと汗かいたんで、イッキでいいですか?」

「ああ、どうぞ…」

会長さんが答えた

私はストローを取り出し、グラスに口を持って行った

ゴクン、ゴクン…

「うわー、おいしかった!砂ちゃん、おかわりいいかしら?」

「ははは…、聞いていた通り、なかなか気丈なお嬢さんだ。この砂垣も君には、さんざんやりこめられたらしいしな。おい、順二、おかわり頼んでやれ」

「あ、はい…。おい、コーラもう一杯持ってきてくれ!」

砂ちゃん、使いっぱ似合ってるって(笑)


...


星流会のことは剣崎さんから聞いてて、ある程度知っていた

会長の諸星さんってのは在日系のリーダーで、広域組織傘下として、長年にわたり相和会に挑んできたと…

うふふ…、相馬さんが生前、よく口にしてたセリフを思いだしたわ

”星流会のダボが…”

さて、そのダボさん、どんなアプローチで来るのかな


...


「…麻衣さん、諸星さんは去年の都県境勢力圏での再編劇では、アンタのことを高く評価しててね。相和会と切れてんなら、今度は星流会で力になってもいいと言われてるんだ。どうだろう?」

おお…!

単刀直入で来たわね

砂ちゃんが口火を切った際、かなりでかい顔の諸星さんはじっと私の目を見つめていた

私もジーっと視線を返してやってから、麻衣アンサーをね

「これはご存知かとも思いますが、私のおじさんは、星流会さんの話に及ぶと、”あのダボが!”が口癖だったんですよ。そのダボさんに面倒見てもらったら、あの世で叔父に日本刀で切りつけられますよ、私。まあ、”あっち”の世界で刃物が用を足すのか知り得ませんが。うふふ‥」

私は二人の眼を交互に見てやった

と言うより、相馬豹一と同期化された獣のアイビームを捧げてやったってとこよ(笑)




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