ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
美しき毒、さらに…/その13
麻衣
顔デカの会長さんと話して、だいぶ相和会の周辺事情というもんが見透かせてきた
とりあえず剣崎さんには報告しておく
剣崎さんとは決められた連絡方法を経由して、電話で話した
...
「そうか…、砂垣を介して諸星さんがな…」
私は、3人で話した内容をそのまま伝えた
定男さんを切りつけた件や、相馬さんから支援を受けた経緯とかを諸星さんに話したこともね
さすがの剣崎さんも、電話口の向こうで驚いている様子が覗えたよ
「ふーっ、また、たいそうなことをしゃべってくれたもんだな。向こうに利用されることを考えなかった訳じゃあるまいが、麻衣…。どうなんだ?」
「あの人はこの件を知ったからって、何もできませんよ。そう見切った上でですから。私と相馬さんに血の繋がりがないことを知っていたんです。それなら”真実”を生々しく突き付けてやった方が、むしろ効果的と思ったまでです」
「まったく大胆な奴だよ、お前は。まあ、面と向かってダボ扱いで一蹴とは痛快だが(苦笑)。だが、麻衣、これだけは肝に銘じておけ。3代目体制となって、今まで通りは無理だ。広域連中には屈しないが、近く、東西ともに何らかの形で今後の相互間における合意を交わす方向にはなるだろう」
剣崎さんは強い口調で切り出した
...
「…これは時代の流れもあるし、我々のこれからを見据えれば必然的で避けられないことだ。あくまで相馬豹一とういう存在を失った時点で、今までの相和会は終わったんだ。わかるな?」
「わかります」
「それで、今はその”到達点”を探り合ってる、微妙な段階なんだ。お前には言うべきことではないが、将来的な”ウチ”の青写真はもうできてる。その為にはよう、少しでも強い立場に持っていくしかないとな。で、向こうの出方を注視してるんだ。やたらなことできねえ時期なんだよ」
「だから、私に余計な出過ぎた真似は控えろと。そういことですか?」
「ああ、そうだ。お前は組の人間じゃないし、未成年の小娘だ。ただ、”これまで”のことはそうはリセットできない。その認識はあるさ、俺もな。今度の倉橋とのことも、そんなお前の積んできた功績とその度量も見込んで、矢島さんを説き伏せたんだ。簡単に言えば、フェイドアウトを心がけてくれればいいんだ、お前にはよう…」
これは今の剣崎さんの偽らざる、私に対しての思いなのだろう
でもねえ…
麻衣
顔デカの会長さんと話して、だいぶ相和会の周辺事情というもんが見透かせてきた
とりあえず剣崎さんには報告しておく
剣崎さんとは決められた連絡方法を経由して、電話で話した
...
「そうか…、砂垣を介して諸星さんがな…」
私は、3人で話した内容をそのまま伝えた
定男さんを切りつけた件や、相馬さんから支援を受けた経緯とかを諸星さんに話したこともね
さすがの剣崎さんも、電話口の向こうで驚いている様子が覗えたよ
「ふーっ、また、たいそうなことをしゃべってくれたもんだな。向こうに利用されることを考えなかった訳じゃあるまいが、麻衣…。どうなんだ?」
「あの人はこの件を知ったからって、何もできませんよ。そう見切った上でですから。私と相馬さんに血の繋がりがないことを知っていたんです。それなら”真実”を生々しく突き付けてやった方が、むしろ効果的と思ったまでです」
「まったく大胆な奴だよ、お前は。まあ、面と向かってダボ扱いで一蹴とは痛快だが(苦笑)。だが、麻衣、これだけは肝に銘じておけ。3代目体制となって、今まで通りは無理だ。広域連中には屈しないが、近く、東西ともに何らかの形で今後の相互間における合意を交わす方向にはなるだろう」
剣崎さんは強い口調で切り出した
...
「…これは時代の流れもあるし、我々のこれからを見据えれば必然的で避けられないことだ。あくまで相馬豹一とういう存在を失った時点で、今までの相和会は終わったんだ。わかるな?」
「わかります」
「それで、今はその”到達点”を探り合ってる、微妙な段階なんだ。お前には言うべきことではないが、将来的な”ウチ”の青写真はもうできてる。その為にはよう、少しでも強い立場に持っていくしかないとな。で、向こうの出方を注視してるんだ。やたらなことできねえ時期なんだよ」
「だから、私に余計な出過ぎた真似は控えろと。そういことですか?」
「ああ、そうだ。お前は組の人間じゃないし、未成年の小娘だ。ただ、”これまで”のことはそうはリセットできない。その認識はあるさ、俺もな。今度の倉橋とのことも、そんなお前の積んできた功績とその度量も見込んで、矢島さんを説き伏せたんだ。簡単に言えば、フェイドアウトを心がけてくれればいいんだ、お前にはよう…」
これは今の剣崎さんの偽らざる、私に対しての思いなのだろう
でもねえ…