ヒートフルーツ【特別編集版第２部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

果てなく、妖しく…/その３
ケイコ



麻衣が戻ってきた…‼

このニュースは瞬く間に広がったよ

私にも、あちこちからヤツの退院当日に、様々な尾ひれ背びれがついて一報が届いたよ

もう、あんな野郎のことなんてカンケ―ねーし！

そうは思って無視してるんだが、いやでもヤツの話題は耳に入る

知ったこっちゃないって、もう


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これから中学時代の親友、薫と絵美に会う

この二人にはクスリで警察沙汰になった後、初めてだ

さぞ、驚いたことだろうな…

アキラの一件の方はどの程度、承知しているのかな

彼と出会った千葉の海では、あの夜二人も一緒だった

薫はアキラのこと、ちょっと気に入ってたらしくて…

私とアキラの関係は警察に行く前、最低限では話したんだけどね

果たして二人にも、アキラが私にクスリを勧めたとかって伝わってるのだろうか…

ホントは警察での偽証とか、その理由とか、これまでのいきさつ全部を正直に話したいよ、薫と絵美にはさ…


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でもやっぱり…、とにかく会ってからだよな

なにしろ、警察帰りの私がどんな接し方をされるか

二人からどんな話が出てくるか

それで、私が話す範囲も変わってくる…


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午後３時半

待ち合わせ場所の中央公園の噴水前に着いた

学校が終わる時間帯でってことになってるが、ちょっと早めに来た

ここに佇むと思いだす…

一年前、当時彼氏だったテツヤの”彼女軍団”１０数人に、私はここで取り囲まれた

いや、正確にはテツヤと私の仲を裂きたい彼女連中だけでなく、中学時代のクラスメートまで集まって…

そういえば、そのクラスメートＲ子は今日会う絵美にも接触して、アリバイ作りみたいな真似まで済ませてたわ

今思い返しても、吐き気を催すほど卑劣なワナだったよ


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それ、現場で直接指揮していたのは岩本真樹子だったが、実際の首謀者は麻衣だった

身も心もズタズタにされて、私とテツヤは二人の意思のもとに、それまで通りの付合いは辞めた

お母さんはテツヤのことすごく気に入ってて、今でも彼とヨリが戻るのを熱望してるし

アキラとのこと告白したら、気絶するかもね

心地よい水音を耳にしながらも、そんなことに想いを巡らせていたら、気持ちはブルーになっちゃった

「おけいー！」

あっ！薫と絵美が一緒に走ってきた…