ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
凄絶!麻衣ロード/その6
麻衣



昨日、倉橋さんとはもう一つ、”別件”も話し合った

正確には”打合せ”かな…


...



「アツシにはこの前会って、しっかりとクギ刺しておいたわ。そうね、五寸釘をぐさりとってとこよ。あと、お願いね」

「ああ、きっちりやっとく」

こういう時のこの人の目は鋭く光るんだよな、はは…


...


アツシはもともと故相馬定男、つまり相馬さんの実子で当時次の跡目に内定していた、”若”が連れてたチンピラだった

お互いどうしようもないほど色欲が強い者同士、引き寄せられるかのような巡りあわせ…

そんなもんだと察する


...



”あの日”、廃倉庫に拉致された私たち4人は、6人の男たちに囲まれた

そして4人とも服を裂かれ、そこには絵に描いたような暴行現場が展開していた

だが、私の目にはその二人が、他の男達とは明らかに”違って”映っていた

特にアツシが泣き叫ぶ久美の体を奪う様は、身の毛がよだつほど、醜かった

わたしも”若”に襲われていたが、激しい抵抗の最中でも、なぜか他の3人には目が配られていたんだよね

はっきり言って無意識のなせる業だよ

今思い返しても不思議なんだけど…


...



うす暗くてよくわかんないはずなのに、アツシのヤッてる表情、声、体の動き、すべてが言いようもなく醜悪だった

それ故、私ははっきりとしない視界でも、精神を研ぎ澄ませ、その目に刻んだ


...


”若”が私のせい?でこの世から去って、その後のアツシは倉橋さんのもとについた

私が相馬会長の血縁に”一夜”で変身した経緯を、あの野郎は目撃していたことになる

フン…、その間、ずっと、野郎の動向には触手を注いださ

そしたらだ!

あのクソ、こともあろうに廃倉庫で犯した久美に、言い寄っていたんだ

私は倉橋さんに、それなりのマークをお願いした

その結果、あやつの久美への”アプローチ”は許せるものではないことが判明した

私がそれを知った瞬間、こいつは”麻衣ヒットリスト”の首位に躍り出たわ

”この野郎だけは、スペシャルで遂げてやる!”

私だけではなく、私の中の”主”もためらわず大きく頷くのが確信できたのが見えたわ

はっきりとおおぼろげと…

あのクソはマジ、懇ろでやってやるわ、はは…

倉橋さんも気合入れて”当たって”くれるだろう…













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