ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
凄絶!麻衣ロード/その8
麻衣



2度目の”デート”場所は、某ホテルのロビーということだった

私が時間ちょうどに到着すると、先方はすでにいたよ

ははは…、今日はお一人様だわ

まあ、ここに至っては、砂坊なんかお呼びじゃないわね


...



「お待たせしてすいません。ええと…、ここでいいですか」

「ああ、よく来たね。そこ、かけてくれ。いまコーヒーが来るから…」

二人は正面を向きあった

相変わらず顔はデカい


...



私は香りのいいコーヒーをブラックで口に運んだ

「ああ、おいしい…」

「本当は食事でもしながらと思ったんだがね。彼氏に恨まれるのもなんだしな。こんなところですまんね、はは…」

このじじい、倉橋さんのこと知ってるのか?

「愛しい彼のことまで、お気遣いありがとうございます…」

さあ、反応はどうかな


...



「まあ、君にはヤワな男じゃ、勤まらんだろう。ましてや同年代じゃとても無理だろうから、”愛しい人”は年上なんだろうな、きっと」

ありゃりゃ…

微妙な答えが返ってきた…


...



「さて‥、今日は二人きりだし、ざっくばらんに行こうじゃないか。私はどちらかといえば、現実的な考えの持ち主だ。だから、時間は無駄にしたくないし、無理なことに執着する気はない。そう言うことで、頼む」

「こちらこそ、礼をわきまえない小娘ですが、よろしくお願いします」

さあ、始まるぞ…


...



「この前も言ったが、こっちは君が相馬さんと何の血の繋がりもないことは承知済だ。それなのに、再度会って話がしたかった。麻衣さん、何故だかわかるかな?」

「私が、かわいかったからじゃないんですか?」

「ああ、それも確かにあるな、ハハハ…。だが違う理由もあった。何かな?」

「…、どう答えていいのか…。私、血縁ではなくとも、相馬豹一と同様イカレてるんで、失礼なこと言うかもしれませんが…」

せっかく振ってくれたんだ、言ってやる!


...



「全国組織をバックにつけながら、長年にわたり散々痛い目を見させられ続けた相馬会長に、一矢報いたい。でも、彼はもうこの世にはいない。なら、血縁の小娘にって思ったけど、血はつながってなかった」

デカ顔の親分、コーヒーすすりながら、今のところ表情は穏やかだ

「…まあ、会うだけ会うか。いやあ、会ったら、いきなり関東の看板しょった星流会をダボ呼ばわりだ。うわさ通り、いや、それ以上にこの小娘、生前の相馬さんと気性が一緒だった…」

「…」

ややこわばってきたぞ、でかいツラが…(笑)






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