ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
凄絶!麻衣ロード/その9
麻衣




「ここまでが前回です。で、どうやら相和会の跡目相続にも何やら絡んでいたようだし、例の”怪しい”クスリの件も…」

これは私の推測でのカマかけだった

「…ここは、なにか利用価値があるかもしれない。なにしろ、相馬前会長が死んだ今、相和会との関係を見直せる好機でもある…。それに、ガキの”市場”は我が星流会の特許だし…。何かと今後使えるかもしれないしな、うふふ。…、あのう、こんなところだと…」

ははは…、現実主義者さん!

プリーズ・アンサー・ミーなんですけど…


...



こやつ、先に目をそむけたわ

フン、見切ったぞ

さすがは砂垣みたいな風見鶏に肩入れするだけあるわ

相馬会長もいじめたくなるわな、ハハ…



...


「麻衣さん、その大胆極まりない発言を繰り返すのは、挑発と受け取れる。では、君は一体誰に対して挑発しているんだ?その相手とは、星流会若しくはその会長の私なのか、あるいはそれを”超えた”組織に向けてか?どちらだい?」

「どっちでもないですね」

「…どういうことだ?星流会でもない、関東でもないとなると…、まさか、君は…」

私は答えなかった


...



「なんていう小娘なんだ…。君のこの態度と発言は相和会の今後に大きな影響を与えるんだぞ!その辺は承知しているんだろうな?」

さすがにこのくだりは迫力があった

「会長さんは勘違いされてるようですね。私が挑発してる相手は”自分”自身ですよ」

「はあ…?」

今の一言で、さっきこのじじいの言った”まさか”の後は、”関東だけでなく、関西も含めた全国組織”ということが分かったわ

倉橋さんから聞いてる通りだった…


...



「はは…、何とも懐が深いお嬢さんだ。ますます関心が高まるってもんだな。君が言うように、私はガキの勢力にはずっと関与し続けてきた。だから、今までの組織を後ろ盾にした君の行動は、誰よりも評価しているつもりだ…」

「お褒めの言葉、ありがたく頂戴します」

「ふふ、とにかく君の指摘は的を得てる。私は本郷麻衣、いや、相馬豹子にふた通りでアプローチしてる。対相和会の手立てとしてと、もう一つ、ガキどもへの影響力ってことでな。砂垣を手のひらに乗せる器量は本物だった。そこでだ…」

まずは”そっち”の方のお誘いからくるのか…

では、伺いましょうか






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