ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
凄絶!麻衣ロード/その12
剣崎



矢島さんの反応は思ったとおりだった

「剣崎よ、通り一遍の報告は眠たくなるぞ。麻衣の態度で結局は向こうがどう出るか、それだけだ。で、どうなんだ?」

「麻衣に対しての反応は予想以上です。相手の出方にも大きな影響はあるかと…」

「バカ野郎!評論家ぶってんじゃねえ!要はどうなんだと聞いてるんだ、剣崎、具体的に答えろや!」

「…、微妙なところですが、4、6でこっちのマイナス要素が増したと見ています。関西と関東がくっついていなけりゃ、話は別ですが…」

「バカか、お前。向こうはそれこそ、目をつぶって同じベッドで抱き合ってんだ。ヘド吐く思いでな、お互いがだよ。そこまでやっても、こっちを取ることができりゃ我慢できるそうだ。奴らの行動が正直に語ってる。わかってんだろう、テメエ」

かなりイラついてるな…、矢島さん

まあ、この局面じゃ無理もないが


...



「おそらくは、こちらの要望を全部吐き出させた上で、かなりの譲歩をしてくるでしょうね。ただし、その後、逆に条件を突きつけるはずです。相当にエグイとこ突いてくると睨んでます…。その中に麻衣に関連した事項が含まれていると…」

「…、よし、エグくくることを見込んで、全部ぶつけてやろう。むしろ、簡単な組み立てになったな。それでいくぞ、いいな!」

「はい…」

ついに訪れたな

ここで決まりをつけないと、すべて逆戻りだ

ふん…、ここに及んでは機械的に判断するだけだ

願わくば、奴らの思惑が俺の的外れであってほしいが…


...



ともあれ、麻衣の”報告”は矢島さんも興味深く受け取っていたようだった

「ヤツは決して誇張することはないので、まずそのまんまでしょう、諸星さんとの話は…」

「…、あの娘、完全に相馬のオヤジが憑依してるぞ。諸星は怯えただろうな。ふふ…、それはそれで痛快ってもんだ。相馬会長が死んでも恐怖が消えないんだからな。ハハハ…」

その通りだ

諸星さんは相馬さんと麻衣に血の繋がりがないのを知っていながら、麻衣に相馬さんを重ね合わせざるを得なかった

これは恐怖以外の何物でもない

とすれば…


...



俺と同じ考えを矢島さんが持ったとして…

俺の取るべき道は極めてしんどいもんになるな

麻衣…





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