ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
凄絶!麻衣ロード/その14
麻衣



「克子、悪いけど、私が南玉に復帰することは100%ないよ。それに、おけいがいない状態で私が戻っても、同じだよ。まとまらない。かといって、分裂は絶対ダメだ。それこそ、排赤勢力の思うつぼだぞ」

「麻衣さん!じゃあ、どうしたらいいんですか?砂垣一派は一気に来ています。このままじゃ…」

確かに克子の言うとおりだ

私が星流会を蹴ったことで、砂垣にはこれまで以上のバックがついたに等しい

この時とばかり、怒涛のように攻めてくる

当然、南玉を離れたとはいえ、黙って見過ごす私じゃない

だが、ここで私の真意は言えないわな…


...



「実は、遠回しに各校部隊の連中からは、私におけいへの謝罪を求めるシグナルが届いてる。これは多美の頭越しだ。おそらく多美はそれを押しのけたと思う。今のおけいに私を接触させることは、危険だと判断したんだろう。祥子もそれは了解してるらしいしな」

「冗談じゃありませんよ!そこまで向こうに譲歩するなんて我慢なりません。麻衣さん、横田さんにアタマは下げないで下さい!」

もう、4人とも顔を真っ赤にして、興奮状態だよ

まあ、生きがよくて頼もしいが(笑)

「あのな、おけいと私の今の状況は南玉とはかけ離れた、まあ個人間での確執なんだ。そもそも、筋が違うさ。だから、違った形で各校側の要求には対処するつもりさ、私自身がね」

ここでみんなは、お互いに顔を見あわせてる

ふふ、ちょっと驚いたようだ


...


「…、だから、お前らには、あくまで祥子を支えてやって欲しいんだ。ヤツは南玉を絶対割らないことを、最優先にして動いてくれてる。”全体”を考えてるんだ。出て行った私が勝手な話だが、頼むよ。みんなも安易に行動をはやらないでくれ、なあ…」

4人は黙って、頷いてくれた

何人かは目に涙を浮かべてる

ここで家の前での立ち話は終わり、4人は引き揚げて行った


...


さあ、今日の倉橋さんとの申し合せ、それに先程のドッグス有志の心情を踏まえて、わがコンシエーレのお姉さん方に電話だ

ヘへ…、かなりの根つめた話になるぞ、今夜は







< 85 / 224 >

この作品をシェア

pagetop