ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
凄絶!麻衣ロード/その17
麻衣



「うん…、今、現墨東会の主だった面々と調整を取ってる。何しろ、ここに来て、砂垣一派の侵攻に危機感がつのってるから。みんなも、もうあの人だけはごめんだって空気ができてるのよ。ふふふ、三田村さんの情報操作は相変わらず見事ね…」

よし、あんこう先輩の撒いたクスリは、確実に効いてるってことだ

「それでね、週明けには表明する気よ、彼は」

「そうですか…。でも、高本さんと南部さんは大丈夫?あの二人は私達をそう簡単に信じないと思うけど…」

「高本さんは日本にいないけど、メッセージは送ってある。今はその意が返ってくるのを待ってる状況よ。南部さんについては、必死で説得に当たってるところだし。正直、1年前の経緯があるからね…。私たちに対しての敵愾心は消えてないだろうよ。でもね…、今はそれを乗り越えなきゃいけない時期だと思うし…」

「真樹子さん、頼みます!私は何でもやる。私の頭なら誰にでも、いくらでも下げる。だから…」

「ははは…。まあ、仮に南部さんが対砂垣で協調してくれたら、相川夏美や嵯峨ミキ、ああ、嵯峨も今はアメリカか…。まあ、それに湯本敦子らがこっちの側についてくれるレールが敷かれるわ。その局面を迎えたらさ、麻衣さんが彼女らに頭を下げればいい。そこまでは私がやるから…」

真樹子さん、本当にありがとう…


...



真樹子さんとの電話会談を終えた後、今度は”評判のよくない先輩”こと、”あんこう”三田村峰子女史に連絡した

この先輩にも倉橋さんとの婚約の件は報告したわ

「こりゃ、驚いた!でも、そうなると…、いろいろと好都合になるか、ヒヒ…」

さすが、策謀家だけあるわ

すでにワル知恵を巡らせてるよ(笑)


...



「先輩!真樹子さんが動いて積田さんは墨東会として、砂垣への絶縁宣言を表明します。もはや、風雲急を告げてますよ。これからは、ますます先輩の力が不可欠です。頼みますよ!」

「ああ、心得てる。お前の描いたとおり、コトが運んでるだろう、今だって」

「はい。先ほど真樹子さんとも、海の底からここまで遠隔操作ができるなんて、まるで超能力者だって話ししてたところですよ」

「まあ、深海魚は超能力みたいなもん、持ってるっていうからね、ヒヒヒ…」

わあ、この笑い声…

背筋寒くなるわ


...



「で、当面お願いしてた件ですが、いかがですかね?」

「おお、それを真っ先に言おうと思ってたんだわ。横田は仲通りのファミレスでウェイトレスのバイトを始めてね。どうやら、家を飛び出して、恋人と同棲してるらしいわ」

おけい、家出たのか…!

そんで、アキラのアパートで一緒に…

あの二人の運命には、この私が大きくかかわってる

そう思うと、なんだか頑張れよって気持ちかな

もっとも、あいつらからしたら、私のエールなんか、汚らわしくて突っ返してくるよな(苦笑)





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