ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
この愛を一歩、一歩/その3
追川



関東と関西の動きが連動していた…‼

これの意味するところは、相和会が今まで通りのスタンスではいられないということだ

しかし、相和会側はここのところを先刻承知のはずだ

となると…‼

こいつら、この時期に今後のフレーム見直しの合意を図るな

ふう…、ならばだ

奴らの世界の物差しは、少しでも相手側より優位に立ちたい

そこに尽きてくる

要はその”材料”になるが…


...



俺が思うには、今回奴らが焦点とする中に、本郷麻衣の”処遇”が入る可能性が高い

あの得体の知れない少女を巡って、互いの利害関係を綱綱引きする展開があり得るぞ

普通の感覚からは、にわかに信じがたい情景だが、もうあの子、故相馬豹一の”亡霊”と化しているって!

星流会、そのバックの関東、その対抗勢力の関西、そして…!

相馬豹一のもと、長年にわたってそれら勢力と渡り合ってきた相和会自身も、その”亡霊”と決着をつけるつもりだ

俺はそう見てる

そして、その行き着くところは…⁉


...



「もしもし…、香月さんのお宅ですか…」

「はい。あのう…、どちら様でしょうか…」

電話に出たのは女の子だ

「あなたは…、ひょっとして横田競子さん…?」

「あのう!どちら様ですか?」

「私は追川です。週間実話キャッチの記者です!」

「…」

彼女は香月アキラから聞いてるはずだ

俺のことを…

そして、今…、自分たちがあの記事によって、再び”渦中”へ押し戻されるかもしれないことを…


...



「アキラは出かけていますので…。電話あったことは伝えます。では…」

ガチャン!

彼女はかなりナーバスになってるな…

無理もないが…

しかし放ってはおけない

もう、時間的な余裕もないが…

とりあえず今夜いっぱい、彼からの連絡を待とう






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