ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
この愛を一歩、一歩/その6
アキラ



「ケイコちゃん、いいかい…。今までのところを話すぞ」

「うん、お願い…」

「相馬会長が死んで、相和会も全国組織もここで、今までの関係を見直す動きらしい。互いに少しでも好条件に持っていくため、水面下でしのぎ合ってるって。どうやら、麻衣はそれらの連中との接触があるようなんだ…」

オレは麻衣の対応次第では、奴らがお互いの組織が有利になるための思惑から、場合によってはオレ達二人にも影響がおよびかねないという追川さんの話を告げた

「その為、麻衣をよく知ってるオレ達から、ヤツがどんな行動をとるだろうか、意見を聞かせて欲しいと言ってるよ」

ケイコちゃんはオレの目をじっと見てる

そして口を開いた


...



「麻衣は死んだ相馬さんの感覚で接すると思う。あくまで…。だから、相手からすれば、相和会も含めて麻衣のことを危険で厄介な存在だと捉えるんじゃないかな…。アキラはどう思う?私はあれからアイツとは会っていないし、麻衣に変化があったんなら、あなたの方が今の麻衣のことは正確にわかるんじゃない?」

確かに、病院で麻衣にあらん限りのオレの気持ちをぶつけてきて、ヤツが今までのような行動をとらないという気はする

「じゃあオレの意見も含め、追川さんには判断材料として、話してもいいかい?」

「うん…」

オレは受話器に当てていた手を放した


...



「お待たせしました。麻衣は故相馬豹一の感覚で行動していました。たとえ相手が誰であろうと。だから、麻衣のとる態度に対しては、危険な存在だと見なすんじゃないのかと。ただ、僕はついこのあいだ、病院で麻衣と会ってきたんです。その感触では、少なくとも、僕らを巻き込むことはもうしないのではって…。そんな感じがするんです。その程度です。僕ら二人がそちらに提供できることは」

「…、いや香月さん、よくお話ししてくれました。大変参考になった。その上で、私の考えを述べます…」

さあ、記者として相和会を長年追求してきた、追川さんの見解はどうなんだ

オレ達は奴らとはもう無関係で、安心してこのままでいられるんだろうか…






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