She Lover

謎の電話

「はぁ?!い・や・だっ!!」



「別に用もないのに電話とかメールしようってんじゃないんだからいいじゃん!」


「何で淳弘なんかに教えなきゃいけないの!?」





ほら、やっぱり…。




オレは鞄から適当に紙を取り出して、自分のケー番とメアドを書いた。




「これ、受け取るだけ受け取っといて!」

「いらない!」



「いいから受け取れよ!」




夕方の誰もいない廊下で、オレは無理矢理、小真里に紙を渡した。





「いらない!捨てるからね!!」



背を向けて歩くオレに、小真里は叫ぶ。





オレは前を向いたまま小真里にひらひらと手を振る。



家に帰る途中、オレは気づく。










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