She Lover
「……ありがと、淳弘…。」




「そんな…"ありがと"なんて、オレに言うな…。オレのせいで、小真里が……」

ドンッ…






小真里がオレに抱きついてきた。



「うーうん…。淳弘はあたしを助けてくれた。」




オレは小真里が愛しくて、強く抱きしめた…。






ふとその時、亮平の顔が浮かんできた。




亮平…彼氏なんだよな…。




たぶん小真里がオレを好きって言うのは嘘。小真里を助けたかったから…。

オレのケー番は、亮平が気ーつかって入れといてくれたんだよな…。




オレは小真里を引き離した。


小真里を抱きしめた温もりは、冷たい風で冷めてきてしまった…。








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