筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
「東条さんてさ、今決まった相手っているの?」
取引先からの帰りの車中、後部座席に隣り合って座っていた音石常務に唐突に質問された。
「決まった相手というと?」
「いわゆる彼氏とか恋人ってやつ。セクハラだって思ったら答えなくていいよ」
そんなものよりもっとハッキリ決まった相手がおります、なんてセリフが浮かんだけど、一応会社では普通の一社員をしているから婚約者がいるなんてことは内緒。
「残念ながら今はおりません」
にっこりと微笑んで答えてはみたものの、頭の中には今度は筒井くんの顔が浮かんでいる。
だけど彼だって彼氏でも恋人でもない。そんな風に呼ぶには関係が爛れ過ぎている。
「残念どころか、俺には朗報なんだけどね」
驚いて一瞬固まってしまった。いつもの冗談かもしれないけど、どういう意味か聞いてみるべき?
「今度、仕事の後食事でもどう?」
ああ、これはそういう意味って目だ。
こんなに素敵な男性に誘われれば嫌でも胸が高鳴ってしまう。
「はい。ぜひ」
彼となら、レールの進む方向を少しだけ自分の意志で変えられる未来があるかもしれない。
取引先からの帰りの車中、後部座席に隣り合って座っていた音石常務に唐突に質問された。
「決まった相手というと?」
「いわゆる彼氏とか恋人ってやつ。セクハラだって思ったら答えなくていいよ」
そんなものよりもっとハッキリ決まった相手がおります、なんてセリフが浮かんだけど、一応会社では普通の一社員をしているから婚約者がいるなんてことは内緒。
「残念ながら今はおりません」
にっこりと微笑んで答えてはみたものの、頭の中には今度は筒井くんの顔が浮かんでいる。
だけど彼だって彼氏でも恋人でもない。そんな風に呼ぶには関係が爛れ過ぎている。
「残念どころか、俺には朗報なんだけどね」
驚いて一瞬固まってしまった。いつもの冗談かもしれないけど、どういう意味か聞いてみるべき?
「今度、仕事の後食事でもどう?」
ああ、これはそういう意味って目だ。
こんなに素敵な男性に誘われれば嫌でも胸が高鳴ってしまう。
「はい。ぜひ」
彼となら、レールの進む方向を少しだけ自分の意志で変えられる未来があるかもしれない。