筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
落ち着いてからシャワーを浴びて、筒井くんとベッドに潜り込んだ。またギュッと抱きしめてくれる。
「あったかいね」
本当はずっとこうしていて欲しい。
「筒井くん」
「ん?」
「明日、私とデートしてくれない? 一緒にお出かけして、それから一緒に……お泊まりするの」
私のお願いに、筒井くんはしばらく黙っていた。
「いいよ。けどひとつ条件」
「条件?」
「うん。そのデートの中身、俺にプロデュースさせて」
こんな夜中から明日のデートの計画なんて、行き当たりばったりにしかできないと思うけど……
「じゃあお願いします」

***

筒井くんプロデュースのデートは、街中にある遊園地から始まった。
正確には家を出るところから始まっていて、あんなに何度も身体を重ねていたのに、初めて手をつないで歩いた。ときどき彼が嬉しそうにみつめる視線を感じて、なんとなく気恥ずかしくて顔を上げられない。

並んで歩くと、クローゼットの中から筒井くんが選んでくれた花柄のワンピースと彼のパーカーが少しチグハグに見えて、私たちをよく表してる。

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