筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
「次はあれ乗らない?」
筒井くんが指さしたのは観覧車だった。
狭い個室に向き合って座るとなんとなく気まずくて、二人ともしばらく無言で外を見ている。
だんだんとテッペンに近づいていく。
「小夜ちゃんて観覧車も初めて?」
「さすがに乗ったことあるよ」
「じゃあさ」
彼が私の腕をグイッと掴んで引き寄せて、そのまま唇を奪う。
「観覧車でキスしたことある?」
額をつけた彼がイタズラっぽく笑う。
「……あるわけないじゃない」
こんな風に昼間、外でキスすること自体が初めてで、たまらなくドキドキする。
「……筒井くんは? したことあるの?」
「どうかな」
意地悪な笑顔。腹が立ったから、今度は私から唇を重ねる。
「なら、他の子としたことないくらい、いっぱいして」
筒井くんはクスッと笑って耳元で「いいよ」と囁く。
お互いの熱が混ざり合うように何度も何度も唇を重ねる。

きっと他のゴンドラから丸見えだけど、そんなこと……ドウデモイイ。
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