筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
彼はそのまま私を寝室に連れて行こうとした。
「待って、筒井くん。下ろして」
「なんで?」
「お願い」
筒井くんは渋々という表情で、私をリビングに下ろしてくれた。
「今日は最後……だから、お願いがあって」
「お願い?」
私はコクッと頷いた。
「今夜は、優しく抱いて欲しいの。一生忘れられないくらい。他の人に抱かれても、いつも今夜のことを思い出すくらい」
筒井くんの目を見て言った私を、彼はフワッと、それからギュッと抱きしめた。
「いいよ。俺だって本当はずっと、小夜ちゃんを目いっぱい甘やかして大事に優しく抱きたいって思ってた」
「え……?」
「あの日、最初の夜、小夜ちゃんが言ったんだよ。『私を抱くなら、できるだけ乱暴に抱いて。イケナイことをしてるんだってわかるように』って」
記憶がなくなるくらい酔っていても、結局私は家に縛られていたんだ。
筒井くんは私のつむじにキスをして、それから頬や唇に優しく唇を落とした。

「約束する。今日は、小夜ちゃんが一生忘れられない夜にする」

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