この唄を君に捧ぐ(誰にも言えない秘密の恋をしました)続編
家々を眺めながら歩いていると、不意にリュックの中のスマホが鳴っている事に気付く。
「Hi…how are you?」
(はい…どなたですか?)
誰からか分からない着信だったから、心菜は恐る恐るスマホを握る。
『心菜、お疲れ様。今、帰り?』
淡々と話しかけて来るのは、日本に居るはずの蓮でびっくりする。
「蓮さん!…お疲れ様です。
えっ⁉︎今、日本は何時ですか?」
日本とLAの時差は13時間もあるから、もしも帰宅時間に合わせて電話してきたのならば、結構大変だと思う。
『今…朝の8時過ぎ。心菜からしたら過去の朝の8時だな。』
フッと笑う蓮は相変わらずのマイペースさを醸し出し、大した事無いように振る舞う。
「これからお仕事ですか⁉︎
こんな流暢に電話してる場合じゃないんじゃないの⁉︎」
慌てる心菜に対して、蓮は平常心を崩さない。
『朝食はもう食べた。今日は夜にTVの生放送があるから入りが遅いんだ。
それよりも心菜は今日1日、何か変わった事はなかったか?』
「今日は…お昼にDr.ライアンが会いに来てくれました。」
『アイツ…俺が居ない間に心菜にちょっかい出しに来たな。』
そう呟く蓮が可笑しくて、ふふふっと笑いながら、
「だって、蓮さんが言ったんでしょ?私が寂しくしてないか様子見てくれって。」
『ああ…だけど声かけていいなんて言ってない。』
不貞腐れ気味にそう言って、自分の矛盾さに気付き苦笑いする。
「後…また1人新生児が増えたの。両手くらいの大きさで、蓮さんだったら片手に乗っちゃうくらいだよ。」
『…小さな。こんなでそれでも生きられるのか…凄いな。』
自分の手を見て実感したのだろうか、蓮はしきりに感心している。
『うちのチビも今、これくらいか?』
最近の蓮はお腹の子をチビと呼び、暇さえあれば話しかけ、心菜のお腹を愛おしそうに撫ぜていた。
「チビちゃんに触れられ無くて寂しい?」
旅立って今日で4日目だから、ちょっと冗談めかして蓮にそう聞いてみる。
『寂しいな…。心菜に触れられないのは。』
予想外の反応に心菜の方がドキッとさせられ、返り討ちにあった気分になる。
「……何を…言っちゃって…。」
『何、動揺してるんだ?
俺はいつだって本音しか言わない。』
可笑しそうに蓮が笑っている。
「蓮さんが不意打ちだから…。」
心菜はそう呟く。
『明日の朝には飛行機に乗る予定だ。』
「本当に⁉︎もう帰って来れるんですか?」
さすがに5日じゃ無理だろうと思ってたのに、
蓮の有言実行度合いには驚きを隠せない。
『5日で帰るって言っただろ?
これ以上は俺が無理だ。
これでも心菜の実家にも行って来たし、ご両親の墓石に手を合わせる事が出来た。母親の見舞いも行ったし、ついでにシングル曲のジャケットもPVも撮った。』
「大丈夫⁉︎ちゃんと睡眠取れてます⁉︎」
多忙過ぎて心配になってしまう。
『問題無い、飛行機で寝るから。何か欲しい物とか食べたい物とかあったら買ってくから教えて。』
急にそう言われても思い付かない。
「えっと…何かあったら後で、メールするね。」
『アレは?心菜が好きなプリン。新作が出たみたいだぞ。』
「えっ…プリンって機内に持ち込み平気なの?」
『さあ。どうだろうな?イチかバチか持ってってみるか。』
直ぐそこに帰るかの様に聞こえてくるから少し笑ってしまう。
「10時間もかかるのに、蓮さんが言うとあっという間みたい。」
『寝てればあっという間に着く。
そうだな…明日の夕方には帰れるはずだから、一緒に夕飯を食べよう。』
そんなたわいも無い話していると、知らず知らずのうちに家の前に到着する。
「あっ…家の前にあっという間に到着したよ。」
また明日ね。とお互い笑いながら電話を終える。
「Hi…how are you?」
(はい…どなたですか?)
誰からか分からない着信だったから、心菜は恐る恐るスマホを握る。
『心菜、お疲れ様。今、帰り?』
淡々と話しかけて来るのは、日本に居るはずの蓮でびっくりする。
「蓮さん!…お疲れ様です。
えっ⁉︎今、日本は何時ですか?」
日本とLAの時差は13時間もあるから、もしも帰宅時間に合わせて電話してきたのならば、結構大変だと思う。
『今…朝の8時過ぎ。心菜からしたら過去の朝の8時だな。』
フッと笑う蓮は相変わらずのマイペースさを醸し出し、大した事無いように振る舞う。
「これからお仕事ですか⁉︎
こんな流暢に電話してる場合じゃないんじゃないの⁉︎」
慌てる心菜に対して、蓮は平常心を崩さない。
『朝食はもう食べた。今日は夜にTVの生放送があるから入りが遅いんだ。
それよりも心菜は今日1日、何か変わった事はなかったか?』
「今日は…お昼にDr.ライアンが会いに来てくれました。」
『アイツ…俺が居ない間に心菜にちょっかい出しに来たな。』
そう呟く蓮が可笑しくて、ふふふっと笑いながら、
「だって、蓮さんが言ったんでしょ?私が寂しくしてないか様子見てくれって。」
『ああ…だけど声かけていいなんて言ってない。』
不貞腐れ気味にそう言って、自分の矛盾さに気付き苦笑いする。
「後…また1人新生児が増えたの。両手くらいの大きさで、蓮さんだったら片手に乗っちゃうくらいだよ。」
『…小さな。こんなでそれでも生きられるのか…凄いな。』
自分の手を見て実感したのだろうか、蓮はしきりに感心している。
『うちのチビも今、これくらいか?』
最近の蓮はお腹の子をチビと呼び、暇さえあれば話しかけ、心菜のお腹を愛おしそうに撫ぜていた。
「チビちゃんに触れられ無くて寂しい?」
旅立って今日で4日目だから、ちょっと冗談めかして蓮にそう聞いてみる。
『寂しいな…。心菜に触れられないのは。』
予想外の反応に心菜の方がドキッとさせられ、返り討ちにあった気分になる。
「……何を…言っちゃって…。」
『何、動揺してるんだ?
俺はいつだって本音しか言わない。』
可笑しそうに蓮が笑っている。
「蓮さんが不意打ちだから…。」
心菜はそう呟く。
『明日の朝には飛行機に乗る予定だ。』
「本当に⁉︎もう帰って来れるんですか?」
さすがに5日じゃ無理だろうと思ってたのに、
蓮の有言実行度合いには驚きを隠せない。
『5日で帰るって言っただろ?
これ以上は俺が無理だ。
これでも心菜の実家にも行って来たし、ご両親の墓石に手を合わせる事が出来た。母親の見舞いも行ったし、ついでにシングル曲のジャケットもPVも撮った。』
「大丈夫⁉︎ちゃんと睡眠取れてます⁉︎」
多忙過ぎて心配になってしまう。
『問題無い、飛行機で寝るから。何か欲しい物とか食べたい物とかあったら買ってくから教えて。』
急にそう言われても思い付かない。
「えっと…何かあったら後で、メールするね。」
『アレは?心菜が好きなプリン。新作が出たみたいだぞ。』
「えっ…プリンって機内に持ち込み平気なの?」
『さあ。どうだろうな?イチかバチか持ってってみるか。』
直ぐそこに帰るかの様に聞こえてくるから少し笑ってしまう。
「10時間もかかるのに、蓮さんが言うとあっという間みたい。」
『寝てればあっという間に着く。
そうだな…明日の夕方には帰れるはずだから、一緒に夕飯を食べよう。』
そんなたわいも無い話していると、知らず知らずのうちに家の前に到着する。
「あっ…家の前にあっという間に到着したよ。」
また明日ね。とお互い笑いながら電話を終える。