この唄を君に捧ぐ(誰にも言えない秘密の恋をしました)続編
蓮が好きなご飯をいろいろ作って用意しておかなくちゃ。明後日は私も休みだしのんびりしてもらおうと、心菜はウキウキしながら家に入る。

夕飯のサンドイッチを頬張りながら、蓮がいつ帰って来ても良いようにと作り置き料理を作り始める。

夢中になって料理をしていると、

ピンポン、と家のチャイムが鳴る。

「…はい。」

こんな時間に誰だろう?と、心菜は不思議に思いながらインターフォンを覗く。

「今晩は。夜分に申し訳ない。北條です…蓮の父親だ…。」

えっ…蓮さんのお父様⁉︎
何故?どうしてLAに!?

心菜はパニック寸前で、慌てながらも粗相がない様にと言葉を選び、少々お待ち下さいと玄関に向かう。

待って…私、こんな部屋着で大丈夫?

蓮が買ってきてくれた、ロングのサラサラ生地のマタニティドレスが最近のお気に入りだ。
袖が無い作りだから、それでもと思い部屋に戻り急いでカーティガンを羽織る。

「お待たせして申し訳ありません。」
バタバタと玄関に出ると、三つ巴の高級感たっぷりのスーツを着た蓮の父が、スーツ姿の男を2人引き連れ立っていた。

心菜は自分の場違い感をひしひしと感じてたじろぐ。
簡単な挨拶をして訪問の意図も分からないまま、失礼が無いようにと家の中に通す。

蓮の父は部下を外に残し1人、中に入って来る。
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