この唄を君に捧ぐ(誰にも言えない秘密の恋をしました)続編
15分もしないうちに、蓮は頭を拭きながらバスルームから出て来た。

肩にタオルをかけて半裸の状態だ。
さすがにTシャツは2度着れないと判断したのだろう。

久しぶりの蓮が、しかも半裸なのは心菜の心拍数を無駄に上げてしまう。
何か貸してあげられるような服が無いかと探しに行こうとすると、

「寒く無いから大丈夫だ。」
と、何も声に出しても無いのに答えて来るからびっくりする。

「何で…私の思ってる事全部解っちゃうの?」
不思議に思って聞いてみる。

「いつも言ってただろ。分かりやすく顔に出る。」
蓮は微笑して、心菜の頭をポンポンと撫ぜる。

歯ブラシだけは、使い捨てを持っていた事を思い出し、キャリーバッグを開けて蓮に渡す。

2人で一緒に寝室に行く。

心菜の心臓は先程からドキドキと高鳴りっぱなしだ。

「神聖な妊婦に手なんか出せないから、心配しなくても大丈夫だ。」
と、蓮は言う。

ベッドは運良くダブルベッドくらいの広さだから、2人で寝ても問題無い。

先に布団に入った蓮が、トントンと隣の空きスペースを軽く叩き心菜を誘う。

戸惑いながら、
「お邪魔します…。」
と、心菜はそっと蓮の隣に横たわる。

蓮が心菜が寝やすいように、一つしかない枕を譲ってくれる。

「ありがとう。」
凄く気を遣われているようで蓮に申し訳なく感じてしまう。
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