この唄を君に捧ぐ(誰にも言えない秘密の恋をしました)続編
次の日からその事で、事務所からひっきりなしに電話がかかる。
まずは自分を支えてくれる事務所スタッフと、応援してくれる全ての人が納得して、分かってもらう事が先決だから根気よく向き合いたいと蓮は思っている。
1番難色を示したのは他ならぬ森元だった。
蓮を見い出し、ここまでのし上げたのは森元の力に他ならないし、蓮だってその事については彼に感謝している。ただ、そののし上がり方にたまにエグさとしたたかさを感じざる得ない時があったのは確かだ。
それを野放しにして、他人事のように放ったらかしにしていたのも事実だし、今更その事を咎めるつもりも無く、もしも世間から咎められるのであれば、俺自身だけだと蓮は既に腹を括っている。
「しかしですね…今、結婚した事と子がいる事を世間に伝えるのは、どう考えても良くないです。
タイミングだって最悪ですよ。
世界を視野に入れられる程にまでビックになったんですよ。私生活だって今更晒された所で、ファンは逆に引きますよ。
人間味の無い得体の知れない感じが北條蓮のうりなんですから。このままその線で行った方が、心菜さんや心君だってこの先、生活しやすい筈です。」
蓮と森元の話し合いは一方通行だった。
森元の言う事は一理ある。
確かに真実を晒さずこのまま行った方が、心菜と心を守り易いし隠し易い事は良く分かる。
ただ、蓮が1番恐れている事は、もしも外部から私生活を晒されて暴かれる事なのだ。
その時標的にされ痛めつけられるのは、心菜であり心である事は言うまでも無い。
その前に、自分から伝えておけば誰も面白がって追い求める事は無くなるだろう。
言わないから知りたいのが人の心理だ。
先手を打って伝えておけば、一時期は記者が殺到したとしても、人気が下がったとしても、波が引けば落ち着くだろうと蓮は思っている。
むしろその方が、堂々とプライベートも世間に出て行ける。
蓮は今までのように誰かに、事務所に、守って貰う事を辞めたいと考えている。
大切な人を守るべきなのは自分自身であり、そうでなければ意味が無い。
矢面に立つのは自分1人で沢山だ。
それが蓮の心情であり、その覚悟を持って立ち向かうつもりだ。
まずは自分を支えてくれる事務所スタッフと、応援してくれる全ての人が納得して、分かってもらう事が先決だから根気よく向き合いたいと蓮は思っている。
1番難色を示したのは他ならぬ森元だった。
蓮を見い出し、ここまでのし上げたのは森元の力に他ならないし、蓮だってその事については彼に感謝している。ただ、そののし上がり方にたまにエグさとしたたかさを感じざる得ない時があったのは確かだ。
それを野放しにして、他人事のように放ったらかしにしていたのも事実だし、今更その事を咎めるつもりも無く、もしも世間から咎められるのであれば、俺自身だけだと蓮は既に腹を括っている。
「しかしですね…今、結婚した事と子がいる事を世間に伝えるのは、どう考えても良くないです。
タイミングだって最悪ですよ。
世界を視野に入れられる程にまでビックになったんですよ。私生活だって今更晒された所で、ファンは逆に引きますよ。
人間味の無い得体の知れない感じが北條蓮のうりなんですから。このままその線で行った方が、心菜さんや心君だってこの先、生活しやすい筈です。」
蓮と森元の話し合いは一方通行だった。
森元の言う事は一理ある。
確かに真実を晒さずこのまま行った方が、心菜と心を守り易いし隠し易い事は良く分かる。
ただ、蓮が1番恐れている事は、もしも外部から私生活を晒されて暴かれる事なのだ。
その時標的にされ痛めつけられるのは、心菜であり心である事は言うまでも無い。
その前に、自分から伝えておけば誰も面白がって追い求める事は無くなるだろう。
言わないから知りたいのが人の心理だ。
先手を打って伝えておけば、一時期は記者が殺到したとしても、人気が下がったとしても、波が引けば落ち着くだろうと蓮は思っている。
むしろその方が、堂々とプライベートも世間に出て行ける。
蓮は今までのように誰かに、事務所に、守って貰う事を辞めたいと考えている。
大切な人を守るべきなのは自分自身であり、そうでなければ意味が無い。
矢面に立つのは自分1人で沢山だ。
それが蓮の心情であり、その覚悟を持って立ち向かうつもりだ。