この唄を君に捧ぐ(誰にも言えない秘密の恋をしました)続編
そして賽は投げられた
(蓮side)
心の退院が明日に決まった。
心菜は嬉しくて、心を迎え入れる場を整える為、数日前から掃除や洗濯に追われている。
俺だってあれこれと買い出しに走り、心菜と共にソワソワと落ち着かない日々だ。
そして、今日。記者に会う。
これで全てが決まるとは思っていないが、歌手、北條蓮のターニングポイントにはなるだろう。
「心菜、ちょっと今から打ち合わせで仕事に行って来る。」
ランチを食べた後、いつものようにそう言うと、
「うん。気を付けて行って来てね。」
心菜は何も知らずいつものように見送る。
俺はその笑顔に癒され安らぎを覚え、思わず抱きしめてキスをする。
そんな事をしてしまうと余計離れ難くなってしまうのだが…
「行って来ます。」
「行ってらっしゃい。」
手を振って見送ってくれる心菜に手を振り返し、龍二が待つ駐車場へと足を運ぶ。
「待たせたか?」
先に到着していた龍二の車に乗り込み声をかける。
「いや、丁度ピッタリだ。」
龍二は時計を指差し、車を発進させる。
ここから15分ほどの都内の五つ星高級ホテルのスイートルームを押さえてある。
約束の時間は13時30分。今が13時過ぎだから充分だ。
運命の分かれ道だと龍二は言うが、俺からしてみたらただの通過点に過ぎない。
記事が出た後どう動くかが大事で、重要だと思っている。
何より大切な家族をどう守っていくか、少しでも過ごし難さを感じたら日本を出る事も考えなければならないだろう。
心の退院が明日に決まった。
心菜は嬉しくて、心を迎え入れる場を整える為、数日前から掃除や洗濯に追われている。
俺だってあれこれと買い出しに走り、心菜と共にソワソワと落ち着かない日々だ。
そして、今日。記者に会う。
これで全てが決まるとは思っていないが、歌手、北條蓮のターニングポイントにはなるだろう。
「心菜、ちょっと今から打ち合わせで仕事に行って来る。」
ランチを食べた後、いつものようにそう言うと、
「うん。気を付けて行って来てね。」
心菜は何も知らずいつものように見送る。
俺はその笑顔に癒され安らぎを覚え、思わず抱きしめてキスをする。
そんな事をしてしまうと余計離れ難くなってしまうのだが…
「行って来ます。」
「行ってらっしゃい。」
手を振って見送ってくれる心菜に手を振り返し、龍二が待つ駐車場へと足を運ぶ。
「待たせたか?」
先に到着していた龍二の車に乗り込み声をかける。
「いや、丁度ピッタリだ。」
龍二は時計を指差し、車を発進させる。
ここから15分ほどの都内の五つ星高級ホテルのスイートルームを押さえてある。
約束の時間は13時30分。今が13時過ぎだから充分だ。
運命の分かれ道だと龍二は言うが、俺からしてみたらただの通過点に過ぎない。
記事が出た後どう動くかが大事で、重要だと思っている。
何より大切な家族をどう守っていくか、少しでも過ごし難さを感じたら日本を出る事も考えなければならないだろう。