占いとは当たるものらしい
なのに一緒に来てくれとは、どういうことなんだろうか。

「……なにか、問題でもありましたか?」

だから発案者の私に来てくれといっているとしか考えられない。

「問題がないのが、問題です」

困ったように小さく笑い、課長が私の顔を見る。
問題がないならそれに越したことはないと思うが、なにが悪いんだろう?
「とにかく、一緒に来てください。
資料はすでに送ってありますし、レクチャーが必要なら時間を取ります」

「それは課長命令ですか」

理由も話さず、もうすでに外れた仕事に関われと言われても困る。
しかし、課長命令と言われれば、社畜の私は断れないのだ。

「……課長命令です」

なぜか少し、苦しそうに課長が声を絞り出す。

「わかりました」

なんだかよくわからないまま、私は了承の返事をした。

会社に着いてパソコンを立ち上げると、言っていたように資料がすでに送ってあった。

「今日はあれとこれと、あー、あれは明日に回せるか……。
んで、この資料読んで松菱さん訪問って、完全に残業コースじゃないですか」

テキパキと今日の予定を確認しながらブツブツ文句を言う。
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