占いとは当たるものらしい
もうわかっている内容を再び説明するなど、無駄なことはやらないのだ、課長は。

「このプロジェクト、上手くいくんですか」

いくつかの質問のあと、本題ともいえる質問を切り出す。
プロジェクト立ち上げ当初、想定していた問題点が一切ない。
あまりに上手くいきすぎていて不安になる。

「いかないと困るんですけどね……」

小さく笑ってカップに口をつけた課長は、疲労が濃いように見えるのは気のせいだろうか。

「とにかく今日は、同行よろしくお願いします」

「わかりました」

なんとなく、急な同行の意味がわかった気がした。

時間になり、現担当の増田(ますだ)さんと課長、それに私の三人で松菱さんに向かう。
増田さんの顔色が悪い。
その理由を私は先方で知った。
なにしろ松菱さんはかなりお怒りなのだ。
彼は松菱さんからの提案を適当に聞き、なにも問題がないかのように進行どおりにプロジェクトを進めた。
どおりで問題が一切ないわけだ。
それでもとうとう課長の耳に入り、今回の同行になったというわけだ。
けれどまだ、私まで同行しなければいけない意味がわからない。

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