月夜に1人の私を見つけて
「ナッツベースのドレッシングにしてみました。ナッツの香りで食欲出るかなと思って。」
ニカッと笑った大和が「ちゃんとストップって言ってくださいよ?」と雪奈に声をかけると、サラダの上からドレッシングをかけ始めた。
「…ちょっとずつ過ぎない?」
チョ…チョロ…と注ぎ口から出てくるドレッシングを見つめながら、雪奈は思わずツッコミを入れた。
雪奈にツッコまれた大和は、注ぎ口から出てくるドレッシングを見つめながら笑っている。
「だって、あんまりボトル傾けすぎると、かけ過ぎになるかもだし。…ほら、まだですか?」
「んー、もうちょっと欲しいかも。」
「…まだ欲しい?」
「もう少し…」
「もっとちょうだい、二宮くん♡とか言ってくれないんすか?」
「…なんかそれヤダ。やらしい。」
「えー?やらしいからいいのにー。」
「あ!ストップ、ストップ!」
大和の言葉を軽く無視しながら、ドレッシングをかける彼の手を制した。
「ちぇーっ。いいとこだったのに。」
1人で盛り上がって盛り下がる大和。
それを見てなんだか可笑しくて、雪奈は思わず「何がよ。」とツッコみながら、ふふっと笑ってしまった。
「でもとりあえず、ドレッシングありがと。確かにナッツのいい香りがする!おいしそ。」
雪奈が微笑むと、大和も嬉しそうにニカッと笑い返してきた。