月夜に1人の私を見つけて
寂しさと孤独感に囚われた自分を
気遣い、励ましてくれる大和の存在が、
ありがたかった。
大和は、嗚咽を漏らしながら泣き続ける雪奈を抱きしめたまま、ゆっくりと頭を撫でた。
しばらくそのまま、黙って大和に抱かれていると、ようやく嗚咽はおさまってきた。
でも、大和にはまだ帰ってほしくなかった。
そんな空気を察してか、大和は雪奈と一緒にソファに座ってからも、肩を抱き寄せ、頭を撫でてくれた。
ソファの正面には、開けられたままのカーテンから月が見えた。
相変わらず白い光を放ちながら暗い夜空に浮かんでいる半月。
「…今夜、雪奈さんと一緒に月を見られて、よかったです。」
そう言われ、
雪奈がゆっくりと大和の方へ顔を向けると、
雪奈の視線を感じた大和が、ゆっくりと雪奈の方へ顔を向けたので、
自然と見つめ合う形になった。
柔らかい月明かりに照らし出された大和の顔は、ますます柔らかく、優しく感じられた。