月夜に1人の私を見つけて

下弦の月―かげんのつき― 白昼


ふと、眩しさを感じて雪奈は目を覚ました。


ソファに横たわっていたようで、上からは掛け布団がかけられている。


今日は土曜日。久々にしっかり眠れた感覚があり、なんだか体が軽い。



──あれ、二宮くん帰ったんだ。



昨晩、彼がヘルメットとジャケットを置いていたあたりの床を見つめながらふと思った。


目の前のテーブルの上に置いていたスマホのランプが光っている。


大和からのメッセージだ。


『おはようございます!昨日は雪奈さんが寝ちゃった後に、勝手に帰らせてもらいました。気持ちよさそうな寝顔でしたよ笑!鍵はドアポストに入れたので、確認しておいてくださいね。』


──寝顔、見られた。


想像しただけで、顔が熱くなる。


変な顔、してなかっただろうか。



『おはよ!今起きました。寝顔見られたの恥ずかしい…。変な顔見せちゃったならごめんね。二宮くんのおかげでしっかり眠れたよ!ありがとう。』


しばらくして返ってきた大和からのメッセージは…



『寝顔、可愛かったですよ。キス』



──キス!?

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