月夜に1人の私を見つけて

有明月―ありあけづき―


翌日の日曜日。


天気も良く、小春日和だったので、せっかくだし出掛けようと、ルンルンで家を出たのはいいものの。


──そうだ。クリスマス近いからカップルが多いのか…。


電車の中で男女2人でいる人たちが多い中、女一人でいることがやっぱり虚しく感じる。


適当な駅で電車を降り、地下道の中を歩きながら、ウィンドウショッピングを楽しむことにした。


──あ、そうだ。久々にあの雑貨屋さん覗いてみようかな。


近くに、雪奈がよく行くお店がある。


『うさちゃん』というそのキャラクターは、雪奈のお気に入りで、部屋の中にもうさちゃんのぬいぐるみや雑貨を置いている。


──冬バージョンの可愛い新作が出たって、この前ネット記事に載ってたんだよね…。


店の前までくると、ネット記事に載っていた新作の商品が、出入口の正面に並べてあった。


──かっっわいい〜!


サンタの服を着たうさちゃんの置き物や、トナカイの着ぐるみを着たぬいぐるみ、スノードームなど、冬季ならではの商品が並べられていた。

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