月夜に1人の私を見つけて
「わわっ!!世那!?」
振り向いた先にいた旧友を見て、思わず大きな声を上げてしまった。
「よっ!久しぶり〜」
ニカッと笑った旧友は、古庄世那。
高校の時の同級生だ。
久々に会えた旧友を前にして、珍しく雪奈のテンションが上がる。
「えー!なんでここにいるの?海外に行くって言ってなかったっけ!?」
「そうそう。アメリカ行ってたけど、ちょっとこっちで用事があって。仕事も兼ねて戻ってきたとこ。てか、雪奈に連絡しようか迷ってたから、ちょうど会えてマジで嬉しい!」
ニカッと笑う彼女の耳元で、いくつもつけられたシルバーのピアスがキラリと光る。
随分と垢抜け、アメリカナイズされたように感じた。
身長170センチ超のスレンダーな体型と、
ショートカットヘアの彼女は、
ストレートジーンズに赤いシャツを合わせ、
黒のダウンとニット帽、
ヒール無しの黒いゴツめのブーツを身に着けていることも相まって、
パッと見、男性のように見えなくもない。