月夜に1人の私を見つけて
「で、雪奈は今日、何してたの?こんなとこでニヤニヤしちゃってさぁ〜?」
そう尋ねてくる世那も、ニヤニヤしている。
「え!?そんなにニヤニヤしてた?」
「してたしてた!何かいいことあった?彼氏にプロポーズでもされたとか?」
「う…彼氏…は、別れちゃったんだよね。」
「そうなんだ?…彼氏『は』?」
ちょっと意味深な言い方になってしまい、世那になんと返そうかと、雪奈は言葉に詰まった。
その様子を見た世那は、またニカッと笑い
「何かあるんだー?時間あるなら、ゆっくり聞かせてよ!一緒にランチでもしない?」
と誘ってきた。
「ランチいいね。世那に話、聞いてもらいたいし。」
「聞く聞くー!っしゃー、いこー!」
学生時代と同じノリで、雪奈の肩に世那が腕を回してきた。
一気に学生に戻った気分になり、2人でキャッキャッと笑いながら、ランチをする店を探す。
石窯で焼いたピザがウリの店に入り、注文をした。