月夜に1人の私を見つけて
「雪奈さん、ミルクティー以外を飲むって珍しいですね。」
「確かにそうだね。今日はちょっと眠くて、カフェイン注入したくて。」
「24日まではハードスケジュールですもんね。頑張ってください。」
「がんばるーありがとー。」
頑張ってください、という言葉だけでも心が救われ、もうひと踏ん張り頑張れそうな気がしてくる。
「ところで、25日…クリスマスですけど、何か予定あります?」
大和が雪奈の顔を覗き込みながら尋ねてきた。
「予定?ないよ?」
「そっか。じゃあ…」
少し顔を赤らめた後、大和が思い切ったように言った。
「25日、クリスマスに…俺と出掛けませんか?」
「え!?」
思わず持っていた空のコーヒー缶を落としそうになり、慌てて空いていた方の手を添えた。
──それって…クリスマスデートということになるけど…?
──え、ほ、ホントにいいの?誘いに乗っちゃったら…チョロいかな?私…