月夜に1人の私を見つけて
三十日月―みそかづき―
次の日。クリスマスの朝。
朝から雪奈はクローゼットの中にある服達と、にらめっこをしていた。
──うーん、どんな格好していけばいいんだろ…。
ワンピース、は気合い入れすぎか。
パンツスタイルは、出社する時みたいな格好になりそうだ。
──パンツスタイルで私服はジーパンしかないなぁ。それじゃあ色気ない…いやいや、色気とか必要ないかもだけどっっ!
一人でそんな問答を頭の中で繰り返しながら、1時間程格闘した。
ようやく服装を決め、メイクを終えたら、今度は髪型が気になり始めた。
──この服にストレートヘアって、なんか変じゃない!?
慌ててヘアアイロンを温め、ネットで髪型を検索する。
ゆるく巻いた髪をハーフアップにしようと決め、ヘアアイロンでさっそく髪を巻き始めた。
──ヘアアイロン使ったの、久々かも。
怜と会う時すら、ヘアアイロンで髪を整えることも少なくなっていた気がする。