月夜に1人の私を見つけて

「どこに行くの?」


大和と並んで歩きながら、雪奈が問いかける。
そんな雪奈を横目で見下ろしながら、大和が答えた。


「今日、お店予約してたんです。予約時間ギリギリだけど、すぐそこだから間に合うかな。」


「お店予約してくれてたんだ!ありがとうね。」


「いえいえ。ホントは、そのお店でご飯食べた後に告白しようと思ってたんですけどね。」


「そ、そうなんだ。なんか予定狂っちゃってごめんね?」


そう言って謝った雪奈に、大和があははっと笑って言葉を返した。


「まぁ、緊張して飯食べれるか心配してたけど、その心配がなくなったから、思いっきり食べれるし、結果オーライかな。いや、でも幸せで胸いっぱいで、食べれない可能性もあるな…。」


ブツブツと最後に呟いた大和の言葉に、クスクスと笑う。


そんな雪奈を、大和がまた優しい表情で見下ろした。


「…雪奈さん、今日、いつも以上に可愛い。俺とのデートのために、そんな可愛くしてきてくれたんですか?」


「え!?」


急に褒められ、一人であわあわしていると、頬を赤く染めた大和がニカッと笑って「これはさすがに自意識過剰?」と聞いてきた。
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