真珠の首飾り、あるいは女王の薔薇

三粒目、あるいは三枚目

女王は細やかなひとで、華やかな宝石や飾りを全く持たないわたしを憂い、真珠の首飾りと揃いの真珠の耳飾り、ブローチを贈ってくれた。


首飾りには大ぶりの真珠が六十粒。

揃いの耳飾りも、一粒ずつ同じ色をした大きな真珠がついている。


ブローチは薔薇をかたどっていて、どんな服にも似合うようにと、金であつらえてくださった。


真珠は外国のものを取り寄せ、女王のお気に入りの職人に特別に作らせたのだと聞いた。


貴族女性は普通、さまざまな宝石や飾りを持っていて、いくつか種類がないと恥をかく。


でもわたしの場合は、女王から賜ったものだからという理由で、ひとつずつ持っていれば、相手に失礼にはならない。

公式な場でも私的な宴でも、どこへ行くにもこれらをつけていけばよい。


先立つものに余裕がなく、城でのマナーや機微も分からないわたしが、どんな時間、どんな場面でも使えるように工夫してくださったのが嬉しかった。


いただいてから、必ず毎日身につけている。
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