犬系男子の犬飼くんは私にすごく懐いてます
エピローグ
「瑠夏、今日はごめんね。手、大丈夫だった?」
「うん、大丈夫だよ。犬飼くんも助けに来てくれてありがとう」
放課後、私と犬飼くんはいつものように2人で下校していた。
唯一今までと違うのは、手を繋いでいる事くらいかな。
「本当にこれ、夢じゃないよね」
「もう、また言ってる」
「だって、初めて好きになった子と付き合えるなんて思わなかったから」
「え、初めて…?」
「あっ! くぅぅ、言うつもりなかったのに」
私は目をぱちくりさせて聞く。
「それって、もしかして…」
「…今日の瑠夏、ちょっと意地悪だね」
「ご、ごめん。でも知りたくて」
「……うん。初恋ってやつだよたぶん。高校生にもなって恥ずかしい…けど」
まさか、そんなところも一緒だなんて。
「ふふっ」
「瑠夏、笑わないでよ」
「ごめんね。だけど、私も一緒だから」
「えっ」
「私も初めての好きな人が犬飼くん。だから、初めての彼氏なんだよ」
私たちは、正式に付き合う事になった。
勇気を出して告白して、本当に良かった。
クラスの人たちがいる中であんな事があったから、美奈ちゃんたちからは色々と聞かれて揶揄われたりもしたけど、不思議と嫌な気はしなかったな。
「これ、やっぱり夢? 幸せすぎて死にそうなんだけど」
「そんなの駄目だよ。ちゃんと現実なんだから」
日が暮れる通学路。
「…瑠夏、これからもよろしくね」
「うん!」
その道を私たちはずっと手を繋いで歩いた。