別れさせ屋の仲間になった私の結末
それにしても、きれいな顔。

歯を見せてヤンチャそうに笑っているけれど、瞳が大きくて、はっきりした顔立ち……。

髪色のせいもあってか可愛らしく見える、アイドルみたいな男の子だ。

「ねぇ、誰か知らない? このレベルのイケメン!」

まじまじと写真を眺めていると、野木ちゃんが私たちにすがるような口ぶりで聞いてくる。

「うちのクラスには……いないと思う」

一番モテている寺尾が却下されたのなら、他の男子たちもダメなのだろう。そう思って、首を横に振っていると……。

「マチには心当たりがあるんじゃない?」

突然、美奈が意味ありげに視線を送ってきた。

「いるの!? 誰!? どこのクラス!?」

彼女のひと言で、野木ちゃんの目の色が一気に変わった。

「い、いない! 心当たりなんて……ないよ! ないから!」

慌てて否定すると、野木ちゃんは「そっかぁ」と肩を落とし、がっかりした表情を浮かべる。

けれど、すぐに顔を上げ……。

「あ、あの子たちにも聞いてくる! またねー!」

彼女は登校したばかりの元クラスメイトの女子たちを見つけると、一目散に走り去っていった。
< 14 / 43 >

この作品をシェア

pagetop