別れさせ屋の仲間になった私の結末
「美奈ちゃん、おはよう」
聞き慣れない声と共に、下駄箱すぐの階段をおりてきたひとりの女生徒が、私たちの元に歩いてくる。
「ウルー! おはよう!」
「朝から元気ね~」
誰かと思えば、この学校の生徒会長で、同学年の潤咲希(うるうさき)。
「ウルーも朝は早いんだね」
「文化祭前はすることがいっぱいあって」
ふたりが話すところを初めて見かけたので、面識があることに驚いてしまったが、よく考えてみると、美奈は学級代表だ。
月に1、2回は、代表委員会で顔を合わせているのだろう。
潤さんはそばに来ると、私にも「おはよう」と微笑みかけてきた。慌てて同じように返すとクスッと笑って、美奈に目を向けた。
「実行委員、決まった?」
「あー、まだなの。みんな嫌がってて……」
実行委員……、文化祭の話かな。
ふたりの邪魔をしないよう、静かにしていると、潤さんの目が私に向く。
「本当、誰でもいいのよ。委員の経験がない子なら1から教えるつもりだし、水城さんでも……」
「え……」
彼女が面識のない私の名前まで知っていたことに驚いてしまう。生徒会長って生徒全員の名前を把握しているものなのだろうか、と。
だけど、その疑問はすぐに解決する。
「あー、マチは人見知りするタイプだから」
美奈が、潤さんの前でも私のことをマチと呼んでいたので、きっと私のことを話題にした日があったのかなと思った。
聞き慣れない声と共に、下駄箱すぐの階段をおりてきたひとりの女生徒が、私たちの元に歩いてくる。
「ウルー! おはよう!」
「朝から元気ね~」
誰かと思えば、この学校の生徒会長で、同学年の潤咲希(うるうさき)。
「ウルーも朝は早いんだね」
「文化祭前はすることがいっぱいあって」
ふたりが話すところを初めて見かけたので、面識があることに驚いてしまったが、よく考えてみると、美奈は学級代表だ。
月に1、2回は、代表委員会で顔を合わせているのだろう。
潤さんはそばに来ると、私にも「おはよう」と微笑みかけてきた。慌てて同じように返すとクスッと笑って、美奈に目を向けた。
「実行委員、決まった?」
「あー、まだなの。みんな嫌がってて……」
実行委員……、文化祭の話かな。
ふたりの邪魔をしないよう、静かにしていると、潤さんの目が私に向く。
「本当、誰でもいいのよ。委員の経験がない子なら1から教えるつもりだし、水城さんでも……」
「え……」
彼女が面識のない私の名前まで知っていたことに驚いてしまう。生徒会長って生徒全員の名前を把握しているものなのだろうか、と。
だけど、その疑問はすぐに解決する。
「あー、マチは人見知りするタイプだから」
美奈が、潤さんの前でも私のことをマチと呼んでいたので、きっと私のことを話題にした日があったのかなと思った。