別れさせ屋の仲間になった私の結末
話を聞くところ、どうやら、美奈は文化祭の実行委員選びで困っているみたい。

だけど、彼女の言う通り、私は人の前に出ることが苦手なので、ずっと、そういう立場になることを避けて過ごしている。

私の意思を聞こうとしているのか、潤さんが優しい表情で微笑みかけてきたけれど、苦笑いでかわしてしまった。

「無理強いはしないけれど……。でも、ひとって、少しの勇気で大きく変われることもあるわ。興味がわいたらやってみてね」

潤さんはその言葉を置いて、急ぎの用があるからと、私たちのそばを離れていく。

「ウルーが言うと、すごい説得力」

「……だね」

潤さんは、教師も一目置く優秀な生徒。

学力はどの教科もトップクラスで、なんと、1年の頃から生徒会長をしている。

当時は、1年が会長なんてと一部の上級生から批判されていたけれど、生徒の多くが望んでいたことを成し遂げたことで、今年の選挙ではぶっちぎりの人気を集めていた。

彼女が起こした学校での改革は、地域の新聞にも取り上げられたのだけれど、記事の中で成し遂げた内容よりも誇張されていたのは、その容姿の美しさだった。

透明感のある白い肌と、上品な顔立ち。背中が隠れるほどの長い黒髪はとても艶やかで、制服を崩さずにきっちり着ていても、どことなく色気まで感じてしまう。

才色兼備(さいしょくけんび)という言葉がとても合う人だ。

今日初めて話をしたけれど、振る舞いがとても落ちついていて、同い年なのに上級生のように感じてしまった。
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