別れさせ屋の仲間になった私の結末
会議が終わるとキングはすぐさま席を立った。

「相良くん!」

後を追って駆け寄ると、彼は振り向いて足を止める。

「あの、スタンプカードとか……どんなのにするか相談したくて」

「……」

「相談する時間作ってもらえないかな」

相手はキングだというのに、姿が違うと、なんだか声をかけるのも緊張してしまう。

前髪の向こうでどんな瞳をしているのかわからないから、反応の薄さにも不安があった。

「……昨年使ったものがあるはずなんで、それを参考にすればいいかと」

キングはボソボソと小さな声で答えると、すぐに私に背を向けた。

素っ気ない態度。そばを離れていく彼の後ろ姿に、私はしょんぼりする。

「……嬉しかったのにな」

心の中でつぶやくつもりだった言葉が、無意識に口からこぼれていた。

クラスが違うから、日中の彼を見ることができて、隣の席にもなれたことを喜んでいた自分。

それだけでも十分幸せだったのに、一緒にカードを作ることにもなって、めちゃくちゃ嬉しかった。

でも、そう思っているのは私だけで、キングにとってはどうでもいいことなのだろう。

わかっていたことなのに、あからさまな態度をとられると悲しくなる。
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