別れさせ屋の仲間になった私の結末

Card 23 ♦︎ アマイササヤキ

実行委員の仕事で、あっという間に過ぎた文化祭の準備期間。

うちのクラス──2年D組は、中庭でラーメン屋の模擬店を出すことになり、実行委員の私は中庭での場所取りや、出店するために必要な保健所への申請書類を提出するなど、何かと責任を感じる仕事が多かった。

けれど、わからないところは潤さんが丁寧に教えてくれたので、ひとりでもなんとか乗り切ることができた。

本当に助かった。……あれ以来、彼とは会っていないし、頼れる人なんて他にはいないから。


「水城さーん! スープ、もう少しで無くなりそう!」

「ああ、取りに行ってくるね! 他に足りないものはある?」

「うーん。あ、ワカメがあと少しかも」

「了解!」

文化祭当日も、私は時間を見てクラスメイトたちに交代を呼びかけたり、各班の様子を見るため中庭と家庭科室を何度も行き来している。

家庭科室では、ラーメンのスープを作ったり、トッピング材料を切り、調理器具を洗う子たちがいる。

中庭には、屋台で麺をゆでて、トッピングを盛り付けたり、レジで支払いやスタンプを押す子たちがいて……。店の付近にはチラシで店の宣伝をする子たちがいる。

クラスの出し物は、本当に全員でやっていることなのだなとしみじみ思う。実行委員じゃなかったら、きっと、私は自分が担当する仕事しか見えていなかったはずだ。

「持つよ」

「あ、いいよ。これから休憩でしょ?」
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