別れさせ屋の仲間になった私の結末
今は言えなくても、いつかは言ってくれるんじゃないか。キングだって少しは私のことを……、と。

そうやっていいように解釈していたから、引かれた一線に傷ついた。期待させたくせにと腹を立てたんだ。

「……っ」

私、何をしてるんだろう。

せっかくそばにいられるチャンスを掴んだのに、簡単に手放して。

このまま関係が終わってしまったら、どうするの?

悪い想像がよぎって、居てもたってもいられなくなった私は、意を決してパネルの前から離れた。

「野木ちゃん、ごめん。私、もう行くね!」

「あっ、マチちゃんありがとう!」

彼女の活動に貢献するため、イチオシされていた1年の写真を1枚だけ買って、私は写真部の部室を後にする。

向かった先は西館の3階。

ここに来れば逢えるような気がしたのだけれど、図書室の中は人で溢れていて、室内を見回しても、それらしき人は見当たらない。

【キング、今から会えないかな?】

SNSのアカウントにメッセージを送ってみると、すぐに既読がついて返信が届く。

【申し訳ございません。今日は忙しいので、また後日に】

相変わらず、メッセージでは丁寧な言葉遣い。

「……っ」

後日っていつ? 今すぐ会って謝りたいよ。

【少しでいいの】

不安でいっぱいだった。時間を置けば、余計に彼が離れていく気がして。
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