別れさせ屋の仲間になった私の結末
──うちの学校には、正体不明の別れさせ屋がいる。どんなにラブラブなカップルでも、そのターゲットにされてしまえば、100%の確率で別れてしまう。

学校の生徒で、このウワサを知らない人はいないはず。

依頼をした人もターゲットにされた人も何ひとつ表には出ていないのに、有名になってしまった別れさせ屋。

実は、私もつい最近まで、別れさせ屋に依頼をしていた生徒だった。

その中で、別れさせ屋の正体が誰なのかを知ってしまい、一緒に過ごしていくうちにどんどん好きになってしまった。

依頼が達成を迎え、繋がりを無くした私は、ダメ元で彼に頼んだ。

“手伝わせてほしいの、別れさせ屋の仕事”

迷惑そうにしていた彼から、トランプでの勝負を提案され、昔から運がいい私は見事に勝つことでこのポジションを手に入れた。


「見て! この前の日曜日に買ってきたの」

私はリュックの中から、雑貨屋の袋を出し、中に入っているものをテーブルの上に置いていく。

「何、そのガラクタ」

「ガラクタって……。変装グッズだよ!」
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