世界で一番好きな人
茉莉花が顔を真っ赤にして、俺を気にするようにこちらに視線を向けてきた。


河瀬…茉莉花の幼なじみとかいうやつか。そっか、あいつ告白したんだ…。



「お似合いだと思うよ。茉莉花だって今好きな人いないんだし」


「もう、今はその話いいよ…!あ、予鈴!早く行こ、瑚子!」



犬飼さんは茉莉花に背中を押されて行ってしまった。


…考えてもいなかったけど、これから茉莉花は俺じゃない人を好きになって、付き合っていくんだ。



今まで茉莉花が隣にいることが当たり前すぎて、空いてしまった穴はきっともう埋まらない。





茉莉花と別れてから、一年が経った。


高二になって茉莉花とはクラスが離れ、選択授業も見事に被ることはなくあっさり関わることがなくなった。



茉莉花が隣にいないことが当たり前になった。
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