世界で一番好きな人
「あ、言うの忘れてた。たまには他クラスの男子と交流深めるのもいいかなーって思って、誘っちゃいましたー!」


「茉莉花ちゃんって言うの!可愛いねー!」



馴れ馴れしく茉莉花の名前を呼んだ男子を睨むが、気づいていない。


…まさかこんなところでまた茉莉花と会うとは。



茉莉花にとって俺はただの元クラスメイトだろうけど、俺は茉莉花と過ごした日々を思い出してしまいそうになる。



「なあ、千瑛お願いだよ!今度なんか奢るから、帰らないで…!」


「…ああ」



必死に思い出に蓋をしながら、仕方なく座る。



「ねえねえ、男女二人組作ってさ、スコア競い合おうよ!ちょうど私くじ引きアプリ入れてんだよねー」


「え、面白そうー!」



茉莉花は俺から一番離れたところに座っていたが、なんとなく落ち着かなくて烏龍茶ばかり飲んでいると、唐突に女子がそんなことを言い出した。
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