世界で一番好きな人
…やっぱり茉莉花のことが好きって気持ちを忘れるなんてできない。


「お互い未練なくこれから過ごせる」なんて嘘だ。


情けないけど、俺は一年経った今でも茉莉花に未練たらたらだ。


必死に蓋をして押し込んでいた気持ちが、笑顔を見ただけで一瞬で戻ってしまった。



茉莉花が好きだ。…でもそれはもう、叶うことのない想い。



「茉莉花ちゃん、すっごいねー!ガターばっかだと思ったら、めっちゃ綺麗なストライク決めるなんて!見てたこっちが気持ちよかったよ!」


「えへへ、ありがとう…」



茉莉花の隣にすかさず座った男子が馴れ馴れしく茉莉花の名前を呼んで、ついでに肩まで組んでいた。


なんだあいつ、許せない…!



「千瑛くーん、私にも投げ方教えてよぉ」



茉莉花達が気になったが、最初に腕を組んできた女子に腕を引っ張られて仕方なく着いていく。
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