世界で一番好きな人
体を離した千春とそっと唇を重ねる。


千春とこれからもずっと一緒にいたい。この命が尽きるまで、ずっと…。



その日は、久しぶりに懐かしい夢を見た。





「村井さーん、掃除当番変わってくれないー?今日ちょっと忙しくて困っててさぁ」



帰る支度をしていると、一度も話したことがないクラスメイトの女子が両手を合わせて頼んできた。


ついさっき、別の子にも日直の仕事を変わってほしいと頼まれたばかりだった。



「…ええ、わかったわ。代わりにやっとくわね」


「え、ほんと!やったぁ…じゃなくて、ありがとう村井さんー!」



クラスメイトの女子は友達と帰っていき、掃除用具入れからほうきを取り出す。


掃除当番は計四人いるはずなのに、クラスメイトは全員帰ってしまい教室には私一人取り残された。
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