世界で一番好きな人
「もしもし?」


「…梓」



枯れた千瑛くんの声に、なぜだか胸騒ぎがした。


嫌な予感がする。



「落ち着いて、聞いて。千春が…」



手からスマホが滑り落ちた。


画面がバキバキに割れてしまったけど、そんなのどうだってよかった。



メイクもせずボサボサな頭のまま、適当に服だけ着替えて急いで病院に向かう。



「千瑛くん…!千春は…」



入り口で待っていてくれた千瑛くんが、千春のいる場所へと案内してくれた。
< 138 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop